【開催レポート】公務員から始まる「働き方改革」—コア業務に集中する未来へ

2025年7月12日(土)、加古川市にて、公務員を対象にした働き方改革イベントを開催しました。
テーマは「公務員から始まる『働き方改革』」。
兵庫県内を中心に、自治体職員の方など16名が参加し、登壇者によるトークセッション、クロストーク、ワークショップを通じて、「今、公務員の働き方に何が求められているのか?」を参加者全員で深掘りしました。
オープニングトーク|「公務員にしかできない仕事に集中できる未来を」
オープニングトークには、元神戸市役所職員であり現在は株式会社イマゴトの秋田さんが登壇。
「なぜ今、公務員の働き方改革が必要なのか?」という問いから始まり、人口減少や社会課題の複雑化といった社会背景をふまえた現場の課題を提示いただきました。
公務員が行っている業務の中には、民間に任せられる「ノンコア業務」と、公務員にしかできない「コア業務」が混在しています。
飲酒管理、残業理由書、細かすぎる議事録作成など、習慣として残っている“無駄な仕事”を見直し、本当に必要な業務に集中できる未来を描く必要性が語られました。

クロストーク|播磨3兄弟が語る「現場のリアルと希望」
続くクロストークでは、播磨地域で働く3名の自治体職員が登壇。現場のリアルを共有しました。
- 吉川さん(高砂市役所)
窓口業務やケース記録など、慣れてしまったがゆえに見直せていない業務の存在について指摘。「プロフェッショナルがいないと進まない仕組み」をどう見直すかについても提起されました。 - 栗林さん(加古川市役所)
自分の部署だけが良くなる、というわけではなく全体最適が大事というお話。
またDX化が進まない環境の中で、電話応対や事務作業に追われている現状を共有。「考える時間すら取れない」という言葉が印象的でした。
自治体間で業務や人材をシェアできる「レンタル」のような発想や、RPA導入の可能性にも言及。
※茅野さんは当日欠席となりました。
司会はママントレの須澤が務め、ユーモアを交えつつ、それぞれの話題を深掘りしながら参加者との距離を近づけました。

ワークショップ|「業務をどう分解し、外注・効率化できるか?」
後半は、参加者が自らの業務を棚卸しし、「外注化・効率化できる業務は何か?」を探るワークショップ。
選挙管理や窓口業務、議会運営などをテーマに3つのグループに分かれて行いました。
「紙で行っている手続きはなぜ紙なのか?」「個人情報を含む業務はどう扱えるか?」「AIやツールで代替できる部分は?」など、実際の業務に根ざした具体的なアイデアが多数出されました。
業務の洗い出しをしてみることで「かかる時間を意識することってこれまであまりなかったので、いい機会でした!」という声も上がりました。

参加者から出た主な意見
- 駐車券・タクシー券の発行などはリモート・外注可能では?
- 議会運営はAI化・バーチャル議会の導入も検討できるのでは?
- 制度や業務が属人化しており、アップデートできていない現状がある
秋田さんからは「外注化には業務の“解像度”を上げることが必要」というアドバイスもあり、「どこまでを誰に任せるか」を整理する力の大切さが語られました。
総括|“コア業務に集中する”は効率化ではなく「本質に戻ること」
最後に、東京から参加してくれた山脇さんによるグラフィックレコーディングで、本日の学びを全体で振り返りました。
「公務員のコア業務に集中するということは、単に効率化を目指すのではなく、公務の本質に立ち返ること。
鳥の目を持ってアンテナを張り、他自治体の取り組みや民間の視点からも学び続けていくことが大切」
参加者それぞれの立場や経験から、「やめたいけどやめられない業務」「できるけど見えていない業務」などが多数浮かび上がり、次につながる示唆に満ちた場となりました。
おわりに
「公務員から始まる働き方改革」は、決して一足飛びには進まないかもしれません。
けれど、“小さな改善”を現場から始めることで、確実に大きな変化の一歩になります。
このイベントが、現場で奮闘する皆さんにとって、視点を変えるヒントや仲間と出会う場になっていれば幸いです。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!
こちらの様子も含め、8月30日(土)にKiito神戸にて、このイベントの発端となった「ひょうご地方創生コラボレーションプロジェクト」の総括とも言えるイベント「カケルDAY」が開催されます。
代表の須澤がこちらでプレゼンテーションとブース展示を行う予定です。
ぜひ足をお運びください!
