ライター

商品やサービスの良さが“伝わる”文章を作るお仕事です。

どんなお仕事?

私の主な仕事は、「販促のための“伝わる”文章を作ること」です。たとえば、ネットショップさまのサイトの文章を作ったり、チラシの文章を作ったり。仕事の流れとしては、まずはヒアリングをした上で、どうすればその商品やサービスのことを必要としている方に、その良さが伝わるかを検討。全体の構成を考え、各パーツのキャッチコピーや本文などを作り、仕上げていきます。

また、サイトやチラシの文章を一から作る仕事のほかに、いわゆる「リライト」の依頼もたくさんいただきます。現状の文章を見て、何をどのようにすればより「伝わる」のかを考える。そして、より具体的で適切な言葉に置き換えたり、説得力のある文章の順序や流れを作ったり、読みやすさを重視したリズム感を出したりしながら、丁寧に文章のお手入れをしていきます。

さらには、こうした「“書いた言葉”で伝える」仕事のほかに、最近では「“話す言葉”で伝える」仕事も。たとえば、関西テレビ放送さま『よ~いドン!』の人気コーナー「プロが教えるとっておき 本日のオススメ3」にパンに詳しいライターとして出演したり、『朝日カルチャーセンター梅田教室』でグルメ講座を担当したり。“書く”“話す”のいずれのケースにせよ、「言葉の力を借りて、“伝わる”のお手伝いをすること」が、自分の役割だと思っています。

なお、いまは子育て真っ最中ということもあり、取材の仕事は完全にストップ。ブログやHPを通じて受注し、やりとりもほぼ100%メールという「完全在宅スタイル」で仕事をしています。工夫次第では自宅から出ずに仕事できるというのは、この仕事の強みの一つだなと痛感しています。

経験年数

約7年(2005年秋~)

きっかけは?

きっかけは、地元のタウン情報誌で、「フリーライター募集」の広告を見たことです。

元はといえば畑違いの仕事をしていた私。食品メーカーに勤務し、商品企画や販促の仕事をはじめ、刺激的な仕事にたくさん関わらせていただいていました。ところが、ハードワークから体調を崩し、入社4年目の秋に退職。久しぶりにできた自由な時間を使って、大好きな食のエッセイや食にまつわる小説を読んで過ごしていたのです。

私は、根っからの食いしん坊。でも体調不良と夏の極度な暑さから、そのときは食欲不振に陥っていました。ところが、食のエッセイや小説を読むうちに変わってきたのです。エッセイや小説では、「おいしい」の一言ですませてしまえる感覚を、選び抜いた言葉を重ね、工夫をこらし、細やかに表現しています。その表現を読むと、パンのひとかけら、スープのたった一滴すら愛おしくなってきました。気づけば以前と同じように食が楽しくなり、次第に元気を取り戻してきたのです。

「自分の書いた言葉が、誰かを元気にできるって、なんてすごいことなんだろう!」と心底思いました。幼いころから物書きになりたかった私は食ブログを立ち上げ、日々のごはんのことを発信。すると、「表現がおいしそうで、おなかがすいた!」「読んでいると幸せな気分になる」と好意的な声をたくさんいただくようになって、言葉のすごさやおもしろさを感じていました。ちょうどそんなとき、タウン情報誌で「フリーライター募集」という広告を発見。「自分の好きなことを仕事でいかせる」「結婚しても、フリーなら働きつづけやすい」と思って早速応募したのです。

経験ゼロの私でしたが、幸い編集長と副編集長がとても熱心な方で。貴重なきっかけを与えていただき、「取材ライター」としての一歩を踏み出すことができたのです。

どうすればなれる?(必要な資格・スキル等)

スキルや資格はあるにこしたことはないと思いますが、私の経験上、特に「絶対に○○がないと」というスキルや資格はありません。ただし、言葉の引き出しをたくさん持っていることは大事。それと、「いかに相手の想いを引き出すか?」という、コミュニケーションスキル磨きは欠かせません。

ライターというと、「物を書く人」という印象があると思います。まさにその通りなのですが、「書く」こと自体は、いわば「仕上げ」の部分。「何をどのように書くか?」を考える部分にこそ、時間も力もかける必要があるからです。

私自身、これからも「引き出す」力をしっかりつけていきたいなと思っています。

準備期間・初期投資はどれくらい?

私の場合、募集広告を見て思い立って応募し、そのままフリーランスのライターになりました。だから、準備期間は「ほぼゼロ」。また、初期投資に関しても「ほぼゼロ」です。強いていうなら、名刺代ぐらいでしょうか?

働いている時間はどれくらい?

現在(2013年2月)、4歳の長男と2歳の次男がいます。長男は幼稚園に通っていますが、次男はずっと一緒。ですので、実質働けている時間というと、「4時間ぐらい×平日5日間」だと思います。

ぶっちゃけ、お給料はどれくらい?

いまは子育て最優先で、仕事量もしぼっているということもあり、「20代後半の会社員」レベルの年収です。でもこのお仕事は自分の裁量次第で、年収はもっと増やせると思います。

この仕事の魅力・やりがいは?

これはライターになったときからの理念でもあり目標でもありますが、この仕事の魅力・やりがいは何といっても、「言葉の力を借りて、人と人との“架け橋”になれる」ということ。すぐれた商品・サービスを「提供している人」と、その商品・サービスを「必要としている人」。自分の書いた文章が、両者の架け橋になってくれたとき、何よりうれしいと感じるのです。

「伝えたい想いはあるのに、書くと月並みな言葉になってしまう」ともやもやしていたお客さまから、「こういうことが言いたかった」「想いを引き出してくれてありがとう」と言っていただけると、本当にうれしいです。またその結果として、「新規のお客さまが増えました!」「HPの商品説明が丁寧だと、お客さまからお褒めの言葉をいただきました」などと喜んでいただけると、なおうれしい気持ちになります。

逆にしんどいことは?

仕事自体で「しんどい!」と思うことは、ないように思います。それよりはむしろ、「もっと仕事したい!」という欲が常にあって、自分の中でバランスをとるのがしんどいかなと感じています。仕事をしているときはもちろん100%責任を持って力を出し切ってやります。でも、母であり妻である以上、家や子どものことを二の次にするわけにはいきません。どんなに忙しくても17時には仕事を切り上げて、台所に立っています。

「時間がたくさんあれば、もっと他のこともできるのに」と思うと、もやもやしてしまうときもありますが、でも、「これでちょうどいいのかも」とも思います。私はついついのめり込んでしまう性格。「これだけしかできない、やっちゃいけない」という区切りがあったほうが、バランスよく完全燃焼できるかもしれないなと思うのです。それに、いま自分がもっている条件の中で、何ができるのかを考えることで、「逆に可能性が広がる」こともたくさん実感してきました。

いずれにせよ、自分がしたくて、自分で選んで、自分で量も方向性も決めてしている仕事。これからも「ママだから○○できない」じゃなくて、「ママだからこそ○○できる」をたくさん探していきたいと思います。また、もちろん「プロとしてお金をいただいている」という自覚は常に強く持ちながら、自分ができることを、自分らしいスタイルで実現していきたいなと思っています。

これから目指す方へのアドバイスを!

「人とのご縁を大事にしてください」ということと、「いつでも自分の軸をしっかり持っていてください」ということです。

極端な話、パソコンと名刺さえあれば、「私はライターです」と名乗ったその日から、誰でもライターになれます。ただ、そこから経験を積んでいくことと、自分らしさを作っていくことが、何より大事になってくると思います。

そのためには、人とのご縁は本当に大事。編集者やお客さまからいただいた「赤」(修正依頼や修正指示)は、自分が成長するためのチャンスと捉えて、じっくりと取り組んでください。必ず、その一つ一つの積み重ねが自分の力になっていきます。

それと「自分は○○がしたいからライターになった!」という軸を、いつでもブレずに持っていてください。最初は実績を積むために、「とにかく来た仕事は何でも受ける」という時期があるかもしれません。でも、自分が大切にしたい軸さえ持っていれば、その仕事のすべてが、貴重な糧となるはずです。

……などなど書きましたが、私自身まだまだ発展途上。「架け橋になる」という軸を常に持ちつつ、人とのご縁を大事にして、「喜ばれながら、楽しみながら」仕事をしていきたいなと思っています。

この方にお話を伺いました!

山内早月 さん

コトノハ・ワークス/Web・販促物ライター

大阪府高石市在住。男の子二人(4歳、2歳)のママ。

京都大学文学部を卒業後、食品メーカーに就職。2005年、食の知識と経験を生かしてフリーランスのフードライターに。『料理通信』『Hanako WEST』『Richer』など数々の雑誌でグルメ記事を担当すると同時に、健康やブライダル、住宅など、ライティングの幅を広げる。

その後、二度の出産を経験。「長男4歳・次男2歳」と子育て真っ最中の現在は、仕事のスタイルを「在宅100%」に転換中。「対面取材なし・メールでのヒアリングのみ」で、クライアントのニーズや強みを探る手法を編み出す。2011年には、そのノウハウを生かし、ホームページ記事作成やブログ代筆、リライトなどを請け負うサイト『記事作成.com』と、さらには、同サイトと連動するブログ『プロ直伝!グルメ記事作成のコツ』をスタートさせる。

同サイトの集客効果に悩む中、販促コンサルタント岡本達彦氏考案の「A4」1枚アンケートを知り、自ら実践。「お客さまの声」をもとに各種ツールを有効活用することで、「営業しない営業」スタイルを確立。現在では、成約率は89%、リピート率は78%(共に2012年4月末現在。ただし、現在進行中の案件は除く)と高い数字を誇る。また、丁寧なヒアリングを元に作成する記事は、「伝えるべきことが伝わる」「結果が出る」と好評。

執筆以外の活動としては、関西テレビ放送さま『よ~いドン』の人気コーナー「プロが教えるとっておき 本日のオススメ3」にもパンに詳しいライターとして出演するほか、『朝日カルチャーセンター』でグルメ講座も担当。

1977年奈良生まれ、大阪在住。母として、妻として、嫁として、働く女性として、いかに毎日をめいっぱい楽しむか、常に模索中。

【ホームページ】 「記事作成.com」

【ブログ】「プロ直伝!グルメ記事作成のコツ」

※こちらでご紹介した内容はあくまで一例であり、仕事内容や給料・労働時間などには個人差があります。  あらかじめご了承ください。